あの日の事 備忘録1

仙台中心部、県庁から歩いて5分ほどの所にある、
職場におりました。
 
築ウン十年な古ビルの中で、揺れ始めは「おーー、
結構ゆれますねぇー」などと言っていたのですが、
次第に物凄い揺れになってきて、しかもそれが
いつまでたってもおさまらない。席を立ち、安全の
確保に走る。出入り口の扉が歪んで閉じ込められない
よう、押さえつけながら、目の前の道路へと
飛び出しそうな、向かいのオバチャンたちを
目で制する。そんなことをしているうちに、やっと
揺れがおさまりました。
 
事の重大さは、まだそれほど実感できていません
でしたが、まずは自分たちの身を守らねば、と
行動を起こしていきます。仕事柄、誘導すべき
人々はたくさん居ます。ちょっと怒声交じりに
なりながらも、すぐ近くの公園へ向かうように
何度も繰り返し呼びかけます。
 
老若男女全ての人々が公園に詰め寄せます。
誘導を終え、自分も公園へと避難したときに、
何やら携帯に見入る人々が目につきました。
それで自分も、携帯を取り出しワンセグ
起動させました。TBCの藤沢さんが、白い
ヘルメット姿で、呼びかけていました。
 
そこでようやく、沿岸に津波が押し寄せて
いる事実を知りました。記憶はいまいち
定かでありませんが、恐らく発生から優に
20分は経過していたでしょう。折しも
仙台の中心部には、雪が舞いはじめました。
(つづく)