あの頃よりずっと昔の頃

明日は朝から移動して陸前高田行きです。
  
なにげに産まれて間もなくから7歳まで
育った街です。7歳の足でも15分歩けば
海岸に行けるような場所で育ちました。
  
親の転勤で実家(山奥)に移ってから
あんまり高田に行くことはなかったの
ですが、去年ぶらりと行ってみたらば
驚いたものです。なんつうか、広くて
豊かな町並みだと思っていた駅前は
寂しくてくすんだ景色で、どこまで
賑やかに続いているかと思っていた
国道通りは、車だと一瞬にして街区を
過ぎてしまう小ささ。原風景とは全く
異なる異郷の姿に落胆したものでした。
   
それが現実、さしたる産業もなければ
どこ行くのも物を運ぶのもアクセスが
とても悪い、ただ寂びれるのを待って
いるような、希望を感じられない街。
贔屓目を取り去れば、疑いようがない。
  
そんな街へ明日は仕事をしにいくわけで。
毎度思うに、自分が仕事する以上は
売り手も買い手も納得してもらわないと
厭なんです。それはどこに行ったって
同じだけど、特にいま思うのは、お互い
ケチくさいこと言わずにお金とモノを
やりとりすれば、日本の経済は良くなって、
陸前高田のような閉塞した街にも光明が
射すかも知れない。
  
自分の育った街にそんな一石を投じられる
なら、多少の無理は引き受けたい。
今じゃ幻影になってしまった、「豊かで
賑やかで大きな街」を、幾らでも高田が
取り戻してくれるなら。