あの頃

今日、お昼を勾当台公園あたりの定食屋で
食ってたら、隣の先客、大学生が12人ぐらい
座って食べてるんです。
  
男女ともメンバーの服装がバラバラだなあ
なんて無意識に見てたら、耳なじんだ語句が
会話にどんどん出てきた。「S校」「基準」
その他諸々…。なんということでしょう。
かつての俺のバイト、今頑張ってる皆さんと
図らずも隣り合い、飯を食ってしまいました。
     
なんか辛くなってきたねえ。あの頃の自分の
痛々しさとか、彼らがまさに今抱えているで
あろう苛立ちとか、出てきた親子丼を食す間に
脳裏へどんどん去来するの。すげえ気軽な
テンションで彼らに「俺、昔のバイトなんだよ、
懐かしいなぁ!!」なんて声をかけるには、
なんだか自分は年が離れすぎたように思えた。
  
年を取った現実と、彼らが抱きながら目前の
仕事に立ち向かうことへ何一つ助言できる
ことがない痒さを感じながら、そそくさと
食事を済ませ店をあとにした。仙台に長く
居続けるがゆえに、こんな思いもたまにして
しまうんだな。
  
あの頃、20あたりの自分は、今の自分を見て
何を思うだろう。三十路を目の前にして、
かなり痛烈な問いかけが投げかけられた。
  
想像するに、いま20の俺と飲みに行ったら、
全然ソリがあわないと思う。甘ったれで
妥協ばかりだった20の俺を、もしかすると
罵倒しているかもしれない。そんなことを
思い描いた、29歳、のこり一週間。