困った

昼、メディアテークにて専門誌を読む。
巻頭に業界の最前線の人が紙上討論会してる
ありがちな記事。
  
でも、そのありがちな記事が、心の歯車を
回してしまったわけだ。
  
分野としてはまだ歴史が浅い、それゆえ
体系的・一元的ではない業界に身をおき3年、
客先や取引先の言葉に垣間見えたものを
繋ぎ合わせて自分なりに構えてきた、
この仕事に対するコンセプトみたいなもの。
それと同じことがこの紙面に文章になって
載っていた。
  
場末のペーペーが最前線のロジックを持つ、
この意味というかこの空気感が言葉で十分
伝わるとは思わない。だけど、このことは
実務に置き換えた時、限りなく絶望的な
ニュアンスを持っていることを、この場
限りでいいから叫ばせてほしい。細かい
プロセスも省いて話そう。
  
仕事に造詣を深めれば深めるほど、仕事が
しづらくなる状態、とでもいえばいいのか。
本当はとっくに気づいていたんだろうけど、
こうして目に見える証拠みたいなものが
突きつけられると、もう言い訳ができない。
  
困った。
  
この会社(というか一個人)が100年経っても
到達しない地平に、どうやら俺は先回りで
来てしまったんだなあ。
  
このまま何倍速か分からない速さで、俺が
素養を蓄えたとしても、それを還元できる
手段は残念ながら無い。ヒントは死ぬほど
あるけど、企業としてそれを具現する構造は
残念ながら無い。
  
困った。
  
俺がここに居つづけることは、長い目でみると
お互いに利益がないことになる。思い知った。
  
人並みに恩とか義理とかを感じる、生身の
人間として、この事態は非常に困る。しかし
知らぬ顔で居つづける気にもなれない、
それでは与えられた人生の数年、知ってて
無駄に捨ててることになってしまう。
  
まあ、こういう曲折も人生のうちなんだろう。
もう少しだけ世話になったら次へ進もう。