生きていくこととは

中田英寿引退。
     
プロのキャリアは尽くしたということか。
でも、一抹の無念は隠しきれない。
29歳の彼が辞めることは、34歳のジダン
36歳のシアラーが今季限りでユニフォームを
脱ぐこととは、あまりにも意味が違う。
      
それでも言い包める台詞があるなら、それは
たぶん「サッカーだけが人生じゃあない」って
ことだろう。
     
だけど、ここまで第一人者としてやってきた
=一人のフットボーラーとしては余りにも
多くを得た人間、として、語るべきことや
行動していくことを、プロでなくなる彼には
少し申し訳ないけれど、それでも求めて
いかなくてはいけない。形は問わない、中田に
あって他にないものを、できる限り伝えて
くれないと、その分は日本にとって損失なんだ。
     
一人のフットボーラーが去った今日。だけど
明日はまた新しいサッカーの歴史が刻まれる。
いつの時代もそうやって、ここまできたんだ。
      
いま切望することは、彼が霞むぐらい素晴らしい
フットボーラーが僕等の目の前に現れること。
そしていま彼もまた、それを願っているだろう。