初任の地

遂に明日、閉店してしまう。
最期にと思い、少しだけ仕事を抜けて
行ってみた。
  
知らない顔のほうが多い店の中でも
不思議と会いたい人には会えて、
久しぶりでも変わらぬノリで話せて、
ただ、そのなかの幾人かは、認め
たくないけど、一生で最後になる
かも知れない対面だったわけで。
そんな感慨と、既に閉店を翌日に
控え、ほとんどガラガラになって
しまった店内とが、とにかく無性に
俺を凹ませた。もう此処に来ることは
できなくなるんだと思うにつれ、
できることはしたいなーと俺は願った。
幸いにしてこれから先も会える人の、
できるだけ助けになれる存在なら。