日本1−0バーレーン

なんといいますか、戦評というのはそぐわない
ですな。内容とかなんとかをとにかく
うやむやにして結果としての勝点3を手にした
わけです。しかしここまで際どい展開は予想
してなかったですよ。
 
中田が入るチームってのはパルマでもフィオでも
代表でも同じように、彼周辺に均衡状態が
産まれるのが良くも悪くもあるんですよね。
 
プランデッリ-パルマのときは右サイドに
張り出された中田のところがもみくちゃに
なってる一方で逆サイドのムトゥが活き活き
やってたのが凄く分かりやすかった。ローマから
パルマに出て以降は単独で勝負を決める
仕事人ではなくなった一方、守備では確実に
計算が立つ選手なので、必然的に均衡が
産まれやすいわけです。とはいえ世界選抜の
常連でセリエAを制した実績もある選手を
無視できるわけもなく相手は彼を視界に入れ
彼のケアには最大限の注意を払う、だから
彼周辺の均衡とは裏腹にどこかに不均衡が
生じます。前述のパルマでは単純明快に
逆サイドだったわけです。
今日は逆説的アプローチで、中村に集まる
相手の注意を一列後ろに中田を置くことで
分散させる意図が見て取れますが、バーレーン
頑張りで食い止められていて、結果的には
限界を越えたバーレーンの右サイド(日本の
左サイド)が破綻をきたした。中盤の中央の主導権
争いに用意したタレントは、実に70分近くの
時間を掛けて「左サイドで」チームとしての
戦力均衡を破ったわけです。
 
つまるところ、今、中田英寿の「良さ」を
挙げるとすれば、試合にリスクコントロール
持ち込めるという点だと俺は思います。
この点において、ポジションは今日やった
ところにして、トップ下は中村か小笠原に
任せるのが上策でしょう。
あとは意図的にその均衡を活用しつつ
相手ディフェンスを揺さぶる動きができる
選手を横に並べるのが良さそうです。現時点で
具体名で相性を考えると稲本・中田浩
福西・小野・遠藤の順でしょうか。ただ、
ここ最近は福西の充実ぶりが目をひきます。
この序列は次の試合(6月)までには変わって
いるかも知れません。
 
いずれにせよ、目先の勝点3は取れたし、
今後の編成に大きな手掛かりを得られたことは
喜んで良いのではないでしょうか。

あとは次のバーレーン戦を勝ちきってこの
予選Bグループの大勢を決めてしまうことに
全力を注ぐことですね。たとえそれがまた
うやむやでも構わないから、とにかく次も
勝点3です。